その36
ホントにウソな話ですが、
アメリカに行った20代の頃の話です。
カリフォルニアの海でナンパされたわたしは「うちに来ない?」と誘われ、ホイホイと着いていった。
怖いもの知らずで無謀だったわたしは、着いていった先のなんともゴージャスな大邸宅に圧倒されつつ、わたしたちは庭のプールで泳いでいた。
すると突然、警察が踏み込んできた。
わたしたちは逃げることできず、一網打尽にされ、警察署に連行された。
なぜ???
何がなんだかわからない。乏しい英語のリスニング能力で警察とのやり取りを聴いているとなんととんでもないことがわかった。
どうやら、わたしをナンパした若者たちが案内した家は彼らの家ではなかったのだ。つまりどこかの豪邸に住人が留守なのをいいことに不法侵入し遊んでいたのだった。わたしはそんなことなど露知らず、金持ちのアメリカ人と知り合ったと浮かれて遊び呆けていたというわけだ。
わたしは事情を片言の英語で説明し、なんとか事なきを得たが、とんでもない目に合った。
あの真っ青なカリフォルニアの空の下、水着一枚の無防備なところへ物々しい警察官が踏み込んできた時の世界が引き裂かれたような驚きは忘れることができない。