ホントにウソな話

100個の嘘を書きためていきます。

その19

ホントにウソな話ですが、

 

わたしは十代の頃、ある暴走族に属していた。

 

ネイキッドモデル全盛期の当時にあって、わたしはなぜか車高の高いモトクロスを乗っていた。

 

ある夜、いつものように暴走行為に勤しんでいたのだが、その日は運が悪かった。警察に待ち伏せされて散々追いかけまわされた。

 

わたしはモトクロスの機動性を活かし、舗装されていないあぜ道などに逃げ込み、事なきを得た。

 

散り散りになったメンバーに合流するため、わたしはあらかじめ決められた再合流地点へと急いだ。わたしはそこで大所帯であったチームへ帰還し、無事所定のルートを巡って帰路についた。

 

しかし、翌日、メンバーと話していると、昨夜は散り散りになった後、流れ解散ということになり、再集合はしていないという。

 

では、わたしのが合流した集団は誰だったのだろうか?

 

わたしは別のチームへ知らず知らずのうちに紛れ込んでしまったのかもしれない。確かに多数のメンバーを抱える上に、特攻服など所属を示す服も纏っていなかった当時の我々だったから、別の似たチームに紛れ込んでも気付かないことはあり得る。

 

あり得るというのは、ないわけではない、ということであり、あくまで可能性は低い。

 

だが、現実はわたしは大勢の誰かといっしょにその後もよく見知ったルールと巡って帰ってきたのだ。

 

あの夜はなんだったのだろう?