その17
ホントにウソな話ですが、
わたしは幻覚性キノコを試したことがある。
まだ規制前でしたので違法でなかったが、使用後の感想としては規制すべきだし、もう少し早くすべきだったと思う。
わたしは友人三人とコンビニのおでんといっしょにキノコを摂取し、およそ数時間のバッドトリップに陥った。
それはまさに自我が破壊されるかのような体験だった。
車内でトランスミュージックを聴きながら使用したのだが、すべの現実と意識がループし、そこに閉じ込められているという閉塞感に脅かされ、わたしは「これ」は死ななければ終わらないと思い込み、車から出て道路に飛び出した。
すんでのところで友人と止められたが、ひとりだったら死んでいたかもしれない。
わたしは精神的にボロボロになって帰宅した。
そして翌日眼を覚まし、テレビを見ると巨大なビルが崩壊する映像が何度も繰り返し流れていた。
その日は、9・11が起こった日だったのだ。
あまりの非現実な光景はわたしはまだ効き目が消えていないのだと思い、もう一度布団を被って寝直すことにした。